まなびの脈

からだのしくみ · ホルモンと内分泌

ADH(バソプレシン)と水の調節

血液の濃さや循環量の変化に応答し、腎の集合管で水を回収して尿量を調整する。

教材データ更新: · 出典参照済み/専門家による監修は未完了

看護学生の学習を補助する教材です。専門家による全項目の監修は完了していません。授業・教科書・最新の資料と照合し、診断や治療の判断には使用しないでください。

ADH:集合管から水を戻す
ADH:集合管から水を戻す · まなびの脈 · 独自制作 · 画像の出典
独自に作図・アニメーション制作。臨床画像や実際の反応時間の再現ではありません。

構造と役割

ADHは視床下部の神経分泌細胞で合成され、軸索を通って後葉へ運ばれ血中へ放出される。腎集合管の主細胞にあるV₂受容体を介し、水チャネルであるアクアポリン2を管腔側へ増やす。高濃度ではV₁受容体を介した血管作用もある。

しくみを順に理解する

血漿浸透圧の上昇や有効循環量の大きな低下が分泌を促す。水再吸収と口渇による飲水で浸透圧が戻ると刺激は弱まる。これは負のフィードバックの例で、低血圧などの非浸透圧刺激が優先される場合もある。

ほかの機能との関係

不足は中枢性尿崩症、腎の反応低下は腎性尿崩症に関わり、多量の薄い尿が出る。作用が不適切に強いSIADHでは水貯留による低Naが問題になる。尿量、血清Na、血漿・尿浸透圧を組み合わせ、必要時に専門的負荷試験などを行う。

看護につながる観察

中枢性にはデスモプレシンなどの補充、SIADHには原因治療や病態に応じた水管理・受容体拮抗薬などが用いられる。飲水制限や補充を一律に当てはめない。看護では体重、入出量、口渇、意識、Naの経過を追い、急な変化を報告する。

理由から考えるミニケース

ADH不足により腎で水を回収しにくいとき、予測される尿の特徴はどれか。 ADHが少ないと集合管の水透過性が低く、水が尿へ残る。飲水で補えなければ高Naや脱水に至りうるため、尿量だけでなく血液も確認する。

多尿と頻尿は同じではない

ADHの働きを考える際の多尿は、一定時間に出る尿の総量が多い状態です。頻尿は排尿回数が多いことで、一回量が少なければ総量は増えていない場合があります。「トイレが近い」という訴えをそのままADHの異常へ結びつけず、回数、一回量、夜間の状況、飲水量を具体的に確かめます。口渇を伴う大量の尿という組合せも、糖による浸透圧利尿など別の機序で起こり得るため、症状だけで原因は決められません。

飲めるかどうかが、同じ尿量の危険性を変える

水を多く失っても、口渇を感じて自由に飲水できれば、失った分をある程度補えることがあります。しかし、意識の変化、嚥下の問題、移動の困難、飲み物へ手が届かない状況などで飲水が制限されると、同じ尿量でも水分不足が進みやすくなります。出納の観察では、記録上の摂取量に加え、本人が飲みたいと感じたか、飲む機会と援助があったかも確認します。ホルモンの作用を、生活機能や環境と切り離さずに捉える視点です。

動きで確かめる

ADH:集合管から水を戻す · まなびの脈 · 独自制作
日本語の模式アニメーション。時間・濃度・大きさは定量的に再現していません。 · 映像の参考資料
動画の内容を文章で読む

血漿浸透圧↑:視床下部で変化を感知。ADHは視床下部で合成され、後葉へ運ばれています。

下垂体後葉:ADHを放出。刺激に応じてADHが血液へ放出されます。

腎臓の集合管:水の再吸収↑。集合管で水を血液へ戻しやすくなります。

血液へ水が戻る:尿量↓・尿濃縮の方向。水の保持によって、初めの刺激が弱まる方向に働きます。

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参考資料・出典

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