からだのしくみ · ホルモンと内分泌
プロラクチンと乳汁産生
前葉で作られるホルモンが乳腺での産生を促し、視床下部のドパミンが通常その出力を抑える。
看護学生の学習を補助する教材です。専門家による全項目の監修は完了していません。授業・教科書・最新の資料と照合し、診断や治療の判断には使用しないでください。
独自に作図・アニメーション制作。臨床画像や実際の反応時間の再現ではありません。
構造と役割
プロラクチンは下垂体前葉の乳腺刺激ホルモン産生細胞で合成・分泌され、乳腺を主な標的として乳汁産生を促す。妊娠中の乳腺発達にも関わる。乳汁が乳管へ押し出される射乳は、主にオキシトシンの役割である。
しくみを順に理解する
視床下部ドパミンが持続的に分泌を抑制し、吸啜刺激などでこの抑制が弱まる。プロラクチン自身はドパミン系を介した抑制へつながる。多くの前葉ホルモンと異なり、上流からの「抑え」が基本にある点が重要である。
ほかの機能との関係
過剰は乳汁漏出、月経異常、性腺機能低下や不妊に関わる。原因にはプロラクチノーマ、薬剤、甲状腺機能低下などがある。不足は下垂体障害などで乳汁産生低下と関連する。血中濃度、妊娠や薬剤の確認、必要な画像検査で評価する。
看護につながる観察
プロラクチノーマにはドパミン作動薬が主な治療選択となり、状況により手術などを考える。原因薬剤は自己判断で中止せず調整を相談する。看護では授乳、性機能、月経、頭痛、視野症状と薬剤歴を尊厳に配慮して確認する。
理由から考えるミニケース
ドパミン受容体を遮断する一部の薬剤で起こりうる変化はどれか。 ドパミンによる抑制が弱まるとプロラクチンが上昇しうる。すべての薬剤で同じ程度ではなく、薬剤と症状を確認する。
乳汁を作ることと、乳汁が出ることを分ける
プロラクチンは乳腺で乳汁を作る働きに、オキシトシンは乳腺周囲の筋上皮細胞を収縮させ乳汁を押し出す働きに関わります。吸啜による刺激はこれらの分泌へつながりますが、実際の授乳は児の吸い方、授乳の機会、乳房の状態などにも左右されます。「出にくい」という訴えだけから、乳汁が作られていない、あるいは一つのホルモンだけが足りないとは判断できません。産生と射出、児が受け取る過程を分けて観察します。
月経や乳汁分泌の変化は、時間と服薬歴を合わせて扱う
プロラクチンが高い状態では、生殖に関わるホルモンの調節へ影響し、月経や性機能の変化につながることがあります。原因には下垂体の病変のほか、ドパミンの作用を妨げる薬なども含まれます。観察では、変化が始まった時期、妊娠・授乳との関係、薬を始めたり変更したりした時期を確認します。羞恥や話しにくさに配慮し、本人の言葉を保って伝えます。薬が関係しそうでも、自己判断で中止する根拠にはしません。
動きで確かめる
日本語の模式アニメーション。時間・濃度・大きさは定量的に再現していません。 · 映像の参考資料
動画の内容を文章で読む
吸啜刺激:神経で中枢へ。児の吸啜が感覚情報となり中枢へ届きます。
下垂体後葉:オキシトシンを放出。オキシトシンは視床下部で合成されています。
乳腺の筋上皮:細胞が収縮。ホルモンの作用で筋上皮細胞が収縮します。
射乳:乳汁を送り出す。乳汁をつくるPRLと、送り出す働きを区別します。
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医学・看護の学習資料を参照して作成した解説です。引用元の更新や授業での扱いも確認してください。
- OpenStax Anatomy and Physiology 2e 第17章:内分泌 ↗OpenStax, Rice University
- プロラクチノーマ ↗NIDDK / NIH
- Anatomy and Physiology 2e — 17.3 The Pituitary Gland and Hypothalamus ↗OpenStax, Rice University