まなびの脈

からだのしくみ · 心臓・血管・循環

刺激伝導系と心電図

自動能を持つ細胞から電気的興奮が広がり、心房と心室の収縮の順序を整える。

教材データ更新: · 出典参照済み/専門家による監修は未完了

看護学生の学習を補助する教材です。専門家による全項目の監修は完了していません。授業・教科書・最新の資料と照合し、診断や治療の判断には使用しないでください。

心臓の刺激伝導系
心臓の刺激伝導系 · OpenStax College · CC BY 3.0 · 画像の出典
Original image, unchanged. English labels retained. 図中の言語は原資料に従います。
図の日本語ガイド

拍動の合図が心房から心室へ伝わる順序を理解する。

Sinoatrial (SA) node
洞房結節
Atrioventricular (AV) node
房室結節
Atrioventricular (AV) bundle (bundle of His)
房室束(ヒス束)
Right and left bundle branches
右脚と左脚
Purkinje fibers
プルキンエ線維
Bachmann’s bundle
バッハマン束
Right atrium
右心房
Left atrium
左心房
Right ventricle
右心室
Left ventricle
左心室

黄色の経路を洞房結節から心房、房室結節、ヒス束、左右の脚、プルキンエ線維へ追います。矢印は血液ではなく興奮の伝わる向きを表します。房室結節での伝導の遅れにより、心房の働きが心室の収縮に先行する時間関係がつくられます。

刺激伝導系は特殊化した心筋で、心臓の中に別の末梢神経が枝分かれしている図ではありません。自律神経はこの仕組みの速さなどを調節します。心電図は電気的な活動の記録なので、波形を見たら脈拍、血圧、意識などの循環の結果とも照合します。

構造と役割

正常では洞房結節が主なペースメーカーとして働き、興奮は心房から房室結節、ヒス束、脚、プルキンエ線維を介して心室へ伝わる。伝導系は神経ではなく特殊化した心筋細胞からなり、自律神経が速さなどを調節する。

しくみを順に理解する

房室結節で伝導が遅くなることで、心房から心室へ血液が移る時間を確保する。心電図のP波は心房脱分極、QRS群は心室脱分極、T波は心室再分極を主に反映する。電気活動と機械的収縮は関連するが同一ではない。

ほかの機能との関係

電解質、虚血、薬物は自動能や伝導へ影響する。心電図に規則的な波形が見えても十分な血流があるとは限らない。反対に電極の接触不良や体動で見かけ上の異常が現れるため、波形と本人の状態を照合する。

看護につながる観察

脈拍の速さ・規則性、意識、血圧、胸部症状を同時に確認する。モニターの警報時は患者の状態を優先し、電極や信号品質も確認する。波形の診断名を覚える前に、拍動が灌流を維持しているかを考える。

理由から考えるミニケース

心電図に整った波形があるときの理解として適切なのはどれか。 心電図は電気活動を示し、機械的収縮や有効な血流を直接保証しない。波形と灌流の評価を組み合わせる。

電気活動と触れる脈が一致しないことがある

心電図は心筋の電気的活動を捉えています。一方、手首で触れる脈は、心臓の収縮が血液を押し出した結果、動脈へ伝わる圧の変化です。電気的に興奮していても収縮や拍出が十分でなければ、同じ強さの脈としては触れないことがあります。モニターの数字を見るときは、本人の反応、呼吸、実際の脈や血圧と結びつけます。「波形があること」と「必要な循環が保たれていること」は、それぞれ確かめる対象です。

自律神経は一拍ずつの開始命令を送るわけではない

通常の心臓は、洞結節などの自動能をもつ細胞が自ら周期的に興奮する性質を備えています。自律神経は、その頻度や伝わり方、収縮の強さを調節します。したがって、心臓を動かす電気信号をすべて外からの神経が発生させているわけではありません。緊張、睡眠、運動や薬による心拍の変化を考える際は、心臓に備わるリズムの形成と、それを速めたり遅くしたりする調節を分けると理解しやすくなります。

読んだ内容を、思い出せる知識に。

アプリではこの教材に関連する4問の問題と、用語の解説・書き込み・PDF出力を利用できます。

アプリでこの項目を復習する →

関連する知識

からだのしくみの教材をすべて見る →

参考資料・出典

医学・看護の学習資料を参照して作成した解説です。引用元の更新や授業での扱いも確認してください。

編集方針・訂正の連絡方法