薬理学 · がん薬物療法・投与安全
分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬
標的分子への作用と免疫調節を区別し、多臓器の有害作用を追う。
看護学生の学習を補助する教材です。専門家による全項目の監修は完了していません。授業・教科書・最新の資料と照合し、診断や治療の判断には使用しないでください。

Original image, unchanged. English labels retained. 図中の言語は原資料に従います。
図の日本語ガイド
組織液の回収と免疫の場を、一枚の図で分けて読む。
- Lymph nodes
- リンパ節
- Lymph node
- リンパ節
- Lymph vessel
- リンパ管
- Lymphatic capillary
- 毛細リンパ管
- Blood capillary
- 毛細血管
- Interstitial fluid
- 間質液
- Tissue cell
- 組織の細胞
- Thymus
- 胸腺
- Spleen
- 脾臓
- Bone marrow
- 骨髄
- Tonsil
- 扁桃
- Right lymphatic duct, entering vein
- 静脈へ合流する右リンパ本幹
右上の拡大図で、細胞の間にある間質液が毛細リンパ管へ入り、より太いリンパ管へ進む矢印を追います。リンパは最終的に静脈へ戻ります。血管から出た水分やタンパク質を戻す経路が妨げられると、組織に液がたまりやすくなります。
全身のリンパ節は管の途中にある免疫の場です。一方、脾臓は主に血液に関わる免疫や血球処理を担い、リンパ節とまったく同じ構造ではありません。腫れや浮腫は位置、左右差、痛み、熱感、経過を合わせて捉え、図の一か所だけから原因を決めません。
作用を理解する
分子標的薬は腫瘍の増殖や生存に関わる分子などを標的とする。免疫チェックポイント阻害薬はPD-1、PD-L1、CTLA-4などに関わる抑制機構へ作用し、免疫による腫瘍への反応を高める。作用機序が違うため、従来の細胞障害性薬と同じ副作用だけを探すのでは不十分である。
代表薬・臨床での位置づけ
キナーゼ阻害薬、抗体薬、免疫チェックポイント阻害薬などがあり、がん種や遺伝子・蛋白発現などの情報を基に選択する場合がある。標的があるというだけで全員に効くわけではなく、適応と検査結果を確認する。内服薬と点滴薬のどちらにも継続した観察が必要である。
有害作用と注意点
分子標的薬では皮膚障害、高血圧、心機能への影響など薬ごとの特徴がある。免疫関連有害事象では肺、腸管、肝、甲状腺、下垂体、心臓など多くの臓器が障害されうる。免疫の作用による炎症は治療終了後にも現れることがあり、現在投与中かどうかだけで除外しない。
看護で確認する情報
呼吸の変化、下痢、皮疹、倦怠感、口渇、頭痛、動悸などを以前の状態と比べ、必要な臓器機能検査と関連づける。症状が複数臓器にまたがっても別々の軽い不調と決めつけない。薬剤名、最終投与時期、発症時期を整理し、早めに治療チームへ共有する。
服薬支援につなげる
新しい症状を我慢せず伝えること、他院受診時も治療歴を知らせることを説明する。免疫を高める薬だから感染や全身症状に注意しなくてよいという誤解を解く。有害作用への対応は病態と重症度で異なるため、ステロイドなどを患者が独自に開始・増減する助言はしない。
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医学・看護の学習資料を参照して作成した解説です。引用元の更新や授業での扱いも確認してください。
- がん情報サービス:薬物療法 ↗国立がん研究センター
- がん情報サービス:薬物療法 もっと詳しく ↗国立がん研究センター
- 免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象 ↗厚生労働省 / 医薬品医療機器総合機構(PMDA)